2016年4月19日火曜日

緊急声明『TPP特別委員会において、丁寧で慎重な審議を求めます』2016年4月


緊急声明『TPP特別委員会において、丁寧で慎重な審議を求めます』


私たち「政府と市民のTPP意見交換会」全国実行委員会は、2012年2月より日本政府に対して情報公開と、政府との対話への市民参加を継続して求めてきました。

しかし、この4月以降のTPP特別委員会ですら、「保秘義務契約があるため説明できない」旨の答弁が続く現状では、十分な国会審議すらできないことを非常に懸念します。


政府が提出した黒塗りされた資料は、内部文書としての論点整理であり、外交文書ではありません。内部文書までもが保秘義務契約の対象になりえるのか、非常に疑問です。


保秘義務契約について、政府は「書簡のひな形が正式な内容かどうかも言えない」と、TPP特別委員会の議員にすら「何が秘密なのかも秘密」の状態が続いています。

しかし、そのニュージーランド(以下NZ)の秘密保持契約の「書簡のひな形」は、「depository文書保管国」として各国代表する立場で掲載しており、その「書簡のひな形」が「保秘義務契約として正式な交換文書」と考えるのが常識だ、と私たちは考えます。


また、「交渉に影響するものを秘密」にすることはあり得るとしても、安倍総理も「再交渉には応じない」としており、「交渉はすでに終わっている」はずです。
日本の立場のみを公表することで、すでに終わっている交渉にどのような影響を及ぼすのでしょうか。自国民に自国の立場を説明するのは、政府として最低限必要なレベルの説明であり、義務だと考えます。


「秘密保持契約がある」と言いながら秘密保持契約を見せないままでは、本来公開しても差し支えない部分まで、「秘密保持契約がある」として、政府は恣意的に秘密にできてしまいます。これでは承認の審議すらできません。

いったい何を秘密と指定され、どういった情報なら公開できるのか明らかにすることは、必要最低限の議論のルールです。審議するのであれば、まずは雛形文書を正式なものと認めるか、実際の秘密保持契約を明らかにし、恣意的な黒塗りを止めるべきです。



こういった非民主的な手法でしか審議できない状況は、許されるものではありません。

私たち「政府と市民のTPP意見交換会」全国実行委員会は、この状況でTPPを国会承認することは、到底容認できません。ここに改めて強く抗議します。


以上

2016年4月

市民と政府のTPP意見交換会・全国実行委員会



【参考】
TPP交渉秘密保持に関するNZ外交通商省TPP主席交渉官リリースおよび同書簡ひな型
NZ外交貿易省公式サイト発表(仮訳)


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